2012.06.21 Thursday

アサヒナカワトンボ

0

    アサヒナカワトンボ(橙色翅型)
    Mnais prinosa
    カワトンボ科

    全長:45〜60mm
    成虫出現期:4月中旬〜8月中旬

    生息環境:山間の渓流や小流など
    渋川トンボ公園のような渓流で多産、日当たりの良い流れでは橙色翅型が多く見られる

    高知県RDBランク:なし

    北陸〜関東地方以西の本州、四国、九州および一部の島々に分布しています。
    「所変われば品代わる」とは、このトンボのためにある諺ではないか、と思えるほど地域変異に富んでいます。
    高知県内のオスには、橙色翅(バネ)型と透明翅型の基本型があり、その中間型といえる淡橙色翅型と、橙色翅型で翅の前縁に不透明部分があるタイプも見られます。
    橙色翅型は九州南部で褐色翅型となり、中国地方ではほぼ全ての個体に不透明部分が現れますが、兵庫県中部以東ではほとんど見られなくなり、ほぼ全てのオスが透明翅となります。
    ただ、メスはいずれの地方でも透明翅のみです。

    高知県周辺で見られるタイプの和名が、
    40年ほど前までに出版された図鑑ではカワトンボ、
    1980年代から2000年代まではニシカワトンボ、
    近年になってアサヒナカワトンボといった具合に
    次々と改称されていることからも、その多様性と研究者の混乱振りがうかがえます。

    山間の渓流や、棚田を潤す小流などを主な生息環境とし、高知県内での成虫出現期は4月上旬から8月上旬にかけて、海岸近くの産地では出現期が山間地よりも早めとなり、小規模な流れに住
    んでいるものは小形化する傾向があります。

    村内では、整備作業によって日当たり良好となった渋川トンボ
    公園に多産しているほか、同じ沖名の猿田や戸梶など各地区の渓流で普通に見ることができます。



    写真・文章協力 (社)トンボと自然を考える会 杉村光俊 常任理事

    2012.06.21 Thursday

    フタスジサナエ

    0

       フタスジサナエ
      Trigomphus interruptus
      サナエトンボ科

      全長:43〜48mm
      成虫出現期:4月中旬〜6月上旬

      生息環境:平地〜低山地の池や沼
      日下川調整池の山際で観察できるサナエだが、県内でもここを始め数ヶ所でしか観察できない

      高知県RDBランク:VU(絶滅危惧粁燹

      全長45mm ほどのスリムなトンボ。4月中旬から6月上旬
      にかけ、木立に囲まれた、きれいな池や沼で見られます。
      静岡県より西の本州、四国、九州に分布していますが、高知県では大変興味深い住み分けをしています。
      よく似た種類にタベサエというトンボがいて、瀬戸内地方では両種が混生しています。
      ところが高知県では、高岡郡から幡多地方の四万十川沿いにタベサナエだけが見られ、
      須崎市から東方ではフタスジサナエだけしかみられないのです。
      県内のフタスジサナエは日高村のほか、土佐市、高知市、旧土佐山田町などから記録されているものの、
      現在確実にその姿が確認できるのは日高村の日下川調整池だけとなっています。
      実は、日高村のフタスジサナエにも絶滅の危機がありました。
      20数年前、運動公園の近くにあった小さな溜池でひっそりと暮らしていたのですが、
      この池は田泥の流入や草原化で年を追って水面が縮小しており、絶滅はもはや時間の問題でした。
      そんな時、調整池の整備が始まり、日高村のフタスジサナエはギリギリのところで命脈をつなぐことができたのです。



      写真・文章協力 (社)トンボと自然を考える会 杉村光俊 常任理事

      2012.06.21 Thursday

      アオヤンマ

      0

        アオヤンマ
        Aeschnophlebia longistigma
        ヤンマ科

        全長:67〜75mm
        成虫出現期:5月上旬〜8月上旬

        生息環境:水生・湿性植物が多く生育する平地の池沼
        鹿児にある日下川調整池においては多産だが、県内で唯一の生息地であると思われる

        高知県RDBランク:NT(準絶滅危惧)

        体の大半が緑色をした中形のヤンマです。
        高知県では1980年5月11日に鹿児の湿地帯(現・調整池)で初めて発見された種類で、その発見についての裏話を少々。
        実は土佐市の宇佐からも同じ年の5月23日に交尾中のオス、メスが発見されているのですが、日高村では羽化での確認でした。
        つまり、少なくとも1979年には村内で生殖活動が行われてい
        たということになり、日高村は文句なしの高知県初記録地と断
        言できるのです。
        その後旧春野町、須崎市、旧中村市からも発見されるなど、県内全域に広がりを見せていましたが、1990年代以降は日高村の日下川(岡花)調整池の外ではほとんど見られなくなっています。

        成虫は5月上旬から8月上旬にかけて見られ、マコモやヒメガマなど、背の高い抽水植物(根は水中にあって、葉や茎などを水上に突き出す植物)が密生する水辺からほとんど離れません。
        成熟したオスはその中に潜り込むようにパトロール飛翔してメスを見つけ、カップルとなります。
        産卵は主に晴天の日中、水上の植物内に行います。また盛夏には摂食のために黄昏飛翔も行い、しばしば数頭から数十頭の群飛となることがあります。

        アオヤンマ

        写真・文章協力 (社)トンボと自然を考える会 杉村光俊 常任理事

        2012.06.21 Thursday

        オオイトトンボ

        0

           オオイトトンボ
          Paracercion sieboldii
          イトトンボ科

          全長:30〜40mm
          成虫出現期:4月中旬〜10月中旬

          生息環境:水・湿性植物が多い池沼、湿地、緩い流れ
          日下川調整池では多く見られるが、県内でも生息地が激減しており、早急な対応が必要な種

          高知県RDBランク:NT(準絶滅危惧)

          2012.06.21 Thursday

          ミナミヤンマ

          0
            ミナミヤンマ
            Chlorogomphus brunneus costalis
            オニヤンマ科
            全長80〜85mm

            体の大半が黒色で胸部と腹部に黄色の縞や斑紋があります。
            主に、海岸から遠くない緩やかな渓谷に棲み、成虫は5月下旬から7月下旬にかけて見られます。

            メスの翅(はね)の模様が地域によって異なり、
            足摺岬周辺のものには4枚の翅それぞれの前縁に沿って黒褐色の太い帯が現れていますが、
            四万十市から須崎市あたりにかけて見られるものではこれが細くなり、
            日高村から徳島県にかけて見られるものの大半ではこれがすっかり消えています。

            ちなみに、沖縄には翅全体が真っ黒になったカラスヤンマが住んでいます。
            何と言っても、上昇気流を捉え谷間の空間をグライダーのように滑空する優雅な飛
            翔こそが、ミナミヤンマ最大の魅力です。

            群飛する習性もあり、渋川では10年ほど前まで数百に及ぶ大群飛を見ることができました。
            雑木林の成長や減反などによって個体数が激減した同地では、
            有志の皆さんの努力によって数年前から大掛かりな環境改善活動が展開されています。

            愛好家の間で、高知の日高と言えば「無斑型ミナミヤンマ」。
            その存在価値は文化財級といっても過言ではないでしょう。

            ミナミヤンマ

            写真・文章協力 (社)トンボと自然を考える会 杉村光俊 常任理事
            2012.06.21 Thursday

            モートンイトトンボ

            0

              モートンイトトンボ
              Mortonagrion selenion
              イトトンボ科
              全長:23〜28mm

              成虫出現期:4月下旬〜8月上旬

              生息環境:背の低い湿性植物が多く生育する沼や湿地

              日高村ではすでに絶滅したと考えられるイトトンボで、日下川調整池で1982年に記録されたのが最後

              高知県RDBランク:VU(絶滅危惧粁燹

              2012.06.21 Thursday

              ムカシトンボ

              0

                ムカシトンボ
                Epiophlebia superstes
                ムカシトンボ科

                全長:48〜55mm
                成虫出現期:3月下旬〜5月中旬

                生息環境:山間の緑豊かな渓流
                日高村では渋川トンボ公園の渓流奥だけでしか確認されていない

                高知県RDBランク:NT(準絶滅危惧)

                名前のとおり、古代トンボの特徴を今に留めています。
                この仲間は1億数千万年昔の恐竜時代に栄え、これまでに60種近くの化石が発見されていますが、今では世界中で2種類が生き残っているだけ。
                その内の1種が、日本のムカシトンボです。
                北海道から九州まで、日当たりのいい渓流に住み、四国で成虫が見られるのは4〜5月頃。
                卵から成虫になるまでの5〜6年間、幼虫は飲み水に使えるほどのきれいな水の中でしか生きられません。
                つまりムカシトンボの存在は、その河川が5〜6年間も沢涸れすることなく、きれいなまま流れ続けていたことを証明しているのです。
                日高村では渋川で見ることができます。
                ソメイヨシノが葉桜になった頃、晴天の昼下がりにお出かけ下さい。
                渓流沿いを敏捷に飛び交っています。
                (写真 ムカシトンボ♂ 三原村江ノ谷)

                ムカシトンボ

                写真・文章協力 (社)トンボと自然を考える会 杉村光俊 常任理事

                Calendar
                      1
                2345678
                9101112131415
                16171819202122
                23242526272829
                3031     
                << December 2018 >>
                Selected Entries
                Categories
                Archives
                Recent Comment
                Links
                Profile
                Search this site.
                Others
                Mobile
                qrcode
                Powered by
                30days Album
                無料ブログ作成サービス JUGEM